2010年1月11日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光
最近プロだけ
でなくノンプロや大学生を中心として、冬場に温かい地域でキャンプ・合宿する傾向が強くなってきました。県の統計によると、平成20年度の県外からのスポーツキャンプ・合宿の受入実績は、647団体、延べ84,373人となり、過去最高を記録しました。増加した理由として、地元関係者を介したものが増えたことや、韓国の高校・大学が長期にわたり合宿したこと、官民による積極的な誘致活動により受入態勢の照会や下見が行われ、スポーツキャンプ・合宿が実現したことなどがあげられます。 21年度もス
ポーツキャンプ・合宿を誘致すべく、10月には大隅地区で関西地区のスポーツ団体(12大学、19団体38名)を対象に「かごしまスポーツ合宿招待ツアー」を実施し、その結果これまでに7件の合宿が決定しています。12月22日には、博多都ホテルで福岡地区のセミナーを開催し、県内の13の自治体が参加し、福岡地区の5大学から27団体72名の出席がありました。今回は、交通の利便性の高い駅に隣接しているホテルを会場とし、参加自治体からは地元の食材を提供してもらい、参加者に試食してもらいました。地元の食材を提供することで、より身近な説明ができたのではないかと思います。 参加者のアンケートによると、7割の団体が鹿児島での合宿を希望しており、大きな成果があったと判断しています。学生が合宿地を決める要件として、観光地としての魅力ではなく、「宿泊料金」、「運動施設」、「宿泊施設」、「温暖な気候」などをあげています。また、学生の財政事情を考えると、一定の補助金の支援制度がある自治体が選択肢の条件ではないかと思います。 今回参加の自治体は、宿泊日数に合わせて補助金を出しており、学生も候補地として決定しやすかったのではないかと思います。
学生が合宿先に求
める条件には下記の点も上げられます。一つには宿泊先の近くにコンビニやコインランドリーがあることが望ましいと思います。合宿は長期に渡りますので、生活必需品や食料など緊急に購入の必要が生じることが多く、近くにあるコンビニは重宝がられます。また、ユニホームの洗濯には施設内の設備では間に合わず、大型のコインランドリーを使うケースが多くなります。 2つめには、近くに大学があったり、合宿地が隣接している場合は、他チームとの練習試合を望むケースがあります。合宿地のチームとの情報交換を密にし、対外試合の場を設定してあげることも必要ではないかと思います。自治体の担当窓口をきちんとすることが、持続的に合宿地に選ばれる条件ではないかと思います。
ところで隣の宮崎県は、プロチームのキャンプ地として定着しており、21年春季には、プロ野球(5球団)、J1(9チーム)、J2(9チーム)などが県内各地でキャンプを実施しました。その経済効果は107億円にも及ぶと試算しています。
一方本県内
ではJリーグのキャンプが多く、鹿児島市で清水エスパルス、ジュビロ磐田が、指宿市で浦和レッズと名古屋グランパス、霧島市で柏レイソルがキャンプをしています。薩摩川内市では、プロ野球のロッテマリーンズが秋季キャンプを行っています。各市とも特産の黒牛や黒豚の肉を差し入れするなどして激励しています。プロチームがキャンプすることで、県外からの応援ツアーや報道関係の取材などが多くなり、経済効果が高まります。その意味でプロチームの誘致も積極的に推進しなければと考えています。今年に入り、韓国の野球チームが、40日間鹿児島市内で初めてキャンプをするという朗報も届いています。県内出身者のいるプロ野球やサッカーJIチームのキャンプも、ぜひ誘致したいものです。 プロのチー
ムの誘致には、整備された芝のあるグランド、交通アクセスが便利、充実した宿泊施設、歓楽街が近くにあることなど条件が厳しいことが上げられますが、その点学生はプロチームほどの条件は求めません。県内にある公的施設で十分と考えており、自治体にとってもオフ時期の利用促進にもつながります。鹿児島は県内各地に温泉があり、豊富な食材と温暖な気候などは、他県には負けない要件が揃っています。また、乗用車等で移動する学生にとって高速道路の料金低減化は、鹿児島に来ることを容易にしています。おもてなしの心を醸成し、多くのスポーツ合宿を誘致することが、周辺地域の観光客誘致にもつながり、地域の活性化に繫がると思います。
今年も関西地区と福岡地区でセミナーを開催する予定です。多くの自治体がスポーツ合宿を推進することを望みます。

