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                 2009年12月21日 

                
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

            

  「一般社PC140202.jpg団法人くまもと教育プロジェクト・九州さがらヒストリア」の依頼により、人吉・球磨地域の観光関係者との勉強会に出席しました。会場となった青井阿蘇神社は、平安時代初期の大同元年(806)9月9日の重陽の日に創建され、平成18年に千二百年の歴史的節目を迎えています。この間、鎌倉時代初期から明治維新まで約700年間は、相良氏の一元的な支配と保護を受け荘厳を極めてきました。中世からの独創的な意匠を継承した建造物に、華麗で装飾性に富む桃山様式が先駆的取り入れられ、その技法は人吉球磨地方の近世社寺建造物の手本となっていきました。平成20年には社殿が国宝に指定されて多くの観光客が訪れています。  
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 今年は肥薩線が開業100周年になることや、熊本駅から人吉駅までSLが運転されていることもあり、例年以上に人吉の街が賑わっています。城下町の風情を残す鍛治屋町にある「みそ・しょうゆ蔵」には、昨年の倍以上の観光客がきているとのことで、経営者は大変喜んでおられました。
 

 
今年度の国土交通省の新たな公募事業でスタートしたのが、「九州さがらヒストリア」と題したプログラムです。ヒストリアとは歴史ヒストリーの語源です。九州さがらは、熊本県人吉市および球磨郡町村地域であり、この地域には県の史跡などが8割あり、歴史の宝庫です。「九州さがらヒストリア」では、体験型のプログラムを提供することで、新たな観aoiasojinjya.jpg光客の掘り起こしを進めています。この事業のリーダーが、教育プロデューサーの藤井誠氏で、これまで各地の活性化事業に取り組まれています。国宝青井阿蘇神社のガイド養成や、人吉の歴史を学ぶ講座も開設しており、人気を博しています。また、9月から2ヶ月間、地域の歴史や生活・文化を学ぶ「2009 秋のじゅぐりっと博覧会」が開催され、多くの市民と観光客が参加しました。 

 
人吉地域には、「人吉球磨はひなまつり」のイベントがあります。九州各地のひなまつりとも連携しており、人吉市内の「専徳寺」、「石野公園」、「九日町・五日町のおひな通り」、「鍛治屋町通り」のひなまつりは特に有名です。周辺の「山江温泉」、「球磨村」、「あさぎり町」、「多良木町」、「湯前町」などでも開催されており、地域の広がりとしては、九州では一番ではないかと思います。また観音霊場をまわる、「相良三十三観音めぐり」や鍾乳洞、球磨川を活用した川下りやラフティングが楽しめます。「五木の子守歌」で有名な五木村までは1時間の距離で、秋の風情が魅力的です。 また地域の自然を生かした「山林体験」や「グリーンツーリズム」がこれからの観光の素材になると思います。

 
ところで鹿児島県とP1030046.jpgしては、人吉・球磨地域の魅力ある観光素材を活用することで、新たなルート開拓が可能になります。人吉市は、車で鹿児島空港から1時間、霧島温泉から1時間半の距離にあります。特に今年脚光をあびた肥薩線を活用することが、これからの広域観光の目玉になると思います。「はやとの風」や「いさぶろう」「しんぺい」号、「SL人吉」と旅情をかきたてる列車が運行されています。また、吉松から人吉までは、日本の3大車窓やスイッチバック、ループ線など日本ではここでしか見ることができない場所があり、また、日本の原風景が残る沿線も旅の魅力です。 

 
23年春には、九州新幹線が全線開通します。新幹線のスピードとのんびりとしたローカル列車の旅を楽しんだお客さんを、霧島地域まで誘客するため県境を越えての連携をぜひ推進しなければなりません。観光客の視点に立ってルートづくりを推進することが重要であり、観光地間の移動の快適化が課題です。ここ数年教育旅行の誘致にあたっては首都圏と関西地区を、鹿児島、熊本、宮崎の3県で共同セールスを実施しています。他の事業についても、霧島地P1030048.jpg域と人吉・球磨地域との共同販促パンフの作成や宿泊施設に相互の観光地のパンフを置くなどの取組が求められます。また着地型旅行商品の造成も不可欠です。観光関連施設の従業員は、意外と他の観光地の実情を知らないことが多く、相互交流の機会をつくりPR強化を図る必要があります。  

 今の観光客は一つの観光地に滞在し、他の地域をまわる人が増えています。自分の地域に無いものは、周辺地域の観光地の魅力を組み込むことで、連泊に繫がることになります。遠方から来た観光客は広域にまわります。是非霧島地域と人吉・球磨地域が連携し、観光客の相互誘客に努力されることを望みます。

    参考資料 国宝「青井阿蘇神社」パンフ    

 

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奈良迫プロデューサー
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