2009年11月30日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光
「第
2回かごしま観光人材育成塾」が開催され、79名が受講しました。九州新幹線の全線開業を控えて、県内各地に新幹線開業効果を及ぼすためには、地域の観光素材を発掘し、それを商品化し、誘客に努める必要があります。そのためには、地域をコーディネートする人材が必要です。県内各地に情熱を持って観光に携わる人が存在することが、地域連携や体験メニューのプログラムづくりを推進することになり、ネットワークづくりにも役立ちます。 今回は7名の講師が、豊富な経験を通しての地域づくりやイベントの創り方、おもてなし、食の安全・安心等について講義を行いました。各講師が強調されたことは下記のとおりです。
NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会の専務理事の高砂樹史氏は、「行政に頼らないまちづくりを実践し、収支をはっきりすることが自立への道である。島の自然をそのまま提供し、田舎流のおもてなしすることが感動につながる。島の取組を紹介するために報道には細心の注意が必要であり、伝えたいことをきちんと報道してくれることを条件に取材を受け入れている。島に経済効果をもたらし、リピーターになるお客様を対象とした滞在型施設古民家を修復する計画であり、京都の民家を再生したアレックス・カー氏の協力を得ている。将来的には観光を農業に次ぐ産業に育て、50名の雇用を確保したい。」と述べていました。一人のよそから来た若者が、島の再生に取り組んでいる事例の紹介でした。
NPO法人ウィズアス代表の鞍本長利氏は家族の介護を通して、障害者と介護者が共に楽しめる観光地の在り方について神戸市の取組を参考に「高齢者や障害者、介護者が共に観光地を楽しむためには、双方の不安を取り除くことが必要である。介護を必要とする人に対して、介護人の紹介やコールセンターの設置など仕組み作りが必要である。また観光と介護を一緒に学ぶ機会をつくることが重要である。」と語っていました。全国的には、町中のバリアフリーの取組は進んでいるものの、介護者の派遣とか、コールセンターの設置などは遅れていると感じました。神戸市での取組が全国的に波及すれば、高齢者や障害者がもっと旅行に出やすくなるのではないかと思います。
観光ビジネスコンサルタントの西川丈次氏は、ホスピタリティの重要性についての講演でした。「地元の住民が住んでいる町に誇りを持たないと、観光客は来ない。観光客は降り立った最初の駅や空港の案内人の対応で、そこの町の評価を決める。ホスピタリティは顧客をつくり、リピーターをつくるので、満足より感動を、そして感激を提供しなければならない。地域は、NO1よりオンリーワン、そしてファーストワンをつくり出さなければならない。集客するのではなく、創客することが重要である。」と顧客満足度の高いホテルやレストランの取組事例で、ホスピタリティ醸成の重要性を聞き、鹿児島でも十分な取組ができていないことを反省しました。
NPO法人ロー
ズリングかのや事務局長の丸野里美さんは、今年開催した「大隅わっぜよかど博覧会」の取組について、その組織作り、メニューづくりなど地域をまとめることの難しさと課題について語ってくれました。「大隅地域が広域にわたっており、参画する人の意見をまとめるのに時間がかかった。ネットワークづくりと人の存在=顔の見える関係づくりがいかに大切かが理解できた。ありのままを見せることで観光客は喜んでくれた。収支を考えて今後は計画したい。」などイベントを生み出す苦しみ、人の輪の大切さ、強力なリーダーシップなど学ぶことが多くありました。 地域創造プロデューサーの二瓶長記氏には、地域の四季を活用したイベントの創設について示唆に富む話をしていただきました。「アイデアは考えるのではなく、拾うものである。イベントには理念が必要であり、地域の人が参画し、楽しいものでなければ続かない。お金をかけるのではなく、地域にある資源を活用することで地域住民の動員も図られる。前広にPRしてJRや旅行エージェントとタイアップすることで観光客が誘致できる。」など鹿児島の様々な自然の活用法があると感じました。
川辺やすらぎ
の郷の西迫峰洋氏は、野菜ソムリエの資格を持つ方です。道の駅を通しての地域産品の販売戦略を語ってくれました。「道の駅は安全・安心は当たり前である。生産者が儲かる仕組みをつくってあげないといけない。スーパーと同じ安売り合戦では生産者は商品を提供しない。地域と共に歩く姿勢が必要である。生産者が出荷場所を選ぶ時代でもある。これからは、八百屋的なコミニュケーションを持った店舗が生き残る。」など地産の販売にいかに努力しているかが理解できました。また野菜の選び方について品物を並べて解説してくれました。道の駅の販売で、常に上位にランクされている理由が理解できました。 JR九州リテール鹿児島支店長の中村修氏は、昨年に続き講義をお願いしました。新幹線開業前から駅長として駅の美化やサービス向上に取り組み、九州管内の駅でNO1の駅となりました。国鉄時代からの取組についてユーモアを交えて語ってくれました。「入社のころ率先してトイレを掃除して、表彰を受け、その後どこの駅でもまずトイレをきれいにして、利用者に感謝された。人は褒めることで喜び、成長する。トップの姿が職場の環境を変える。目配り、気配りこそがおもいやりである。お客様は心の触れ合いに感動をする。」など琴線にふれる話に、顔を紅潮しながら講義を聴いている人が多かったと思います。まさに観光は人であり、ホスピタリティだと感じました。
2日間を通して感じたことは、 地域の人が我が町を愛することが大事であり、郷土愛を構築し、
地域にあるもの活用して磨きをかけ、四季彩を感じる商品を造成することが大切である。他をまねるのではなく、オンリーワンをつくり、しかもファーストワンにしなければならない。 観光は持続性が大切である。地元住民の参画や、地域住民に経済効果をもたらすことが重要である
観光は人の存在が大切である。自ら汗をかき、まとめていく能力が問われる。地域のコーディネーターを育てなければならない。
地域の情報をいかに効率よくPRしていくか、仕組み作りが大切である。
ホスピタリティが顧客を生み、リピーターとなる。
多くの示唆を与えてくれた「第2回かごしま人材育成塾」でした。塾生が地域に帰り、観光地づくりに頑張ってくれることを期待します。九州新幹線全線開業まで1年4ヶ月、残された時間は少なくなりました。開業効果を県内全域にもたらすために塾生と共に頑張りたいと思います。




















